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お土産にもドラマを感じるツーリング

信州ツーリングの帰り、道沿いに立つ桃が描かれたのぼりにつられて果物屋に立ち寄った。

お店が少々くたびれていたせいだろうか、お盆の繁盛期であるはずなのに、私以外にお客はいない。

おかげで店のおじさんとの会話が弾む。

千葉に帰るべく高速道路のインターチェンジ(IC)に向かっていることを伝えた私に対して、おじさんは別のICへの近道を教えてくれた。

おじさんが言うには、いま来た道を少し戻った所にある交差点を曲がれば、私が目指していたICよりも都心に近いICに出られるし、おまけにそちらの道はお盆のこの時期でも渋滞知らずで、より早く高速道路に乗ることができるらしい。

本当にそんな都合の良い道があるのか。

疑心暗鬼なまま話を聞いていたが、試食の桃の甘さに負けて高価な桃を購入してしまった私にとって、おじさんの「高速代の節約にもなる」という一言が殺し文句となった。
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桃の詰まった箱をトップケースに押し込み、教えられたICに向かって初めての農道をのんびりと進みながら私は考えた。

私がこの道を知ってしまうことによって、次に私がツーリングに来たとしても、あの果物屋の前を通ることが無くなってしまうということを、おじさんは考えなかったのだろうか。

もしやあの店にお客がいなかった理由は、おじさんがこの道のことを、来店した人皆に吹聴してしまったせいではなかろうか。

いやいや商売人というものはもっと強かなはずだ。

田舎の純朴な人間の親切にみせかけ恩を売ることで、次回もあの果物屋で土産を買おうとお客に思わせる算段なのではないか。

その日の空模様と同じようにすっきりしない思いを抱きつつ、うっそうとした森の中の農道をさらに走り続けていると、突然景色が開けた。

私の目の前に現れたのは、あのおじさんの果物屋より、はるかに立派で小奇麗でたくさんのお客で賑わう果物屋だった。
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コベ

Author:コベ
MT-09というバイクで、寒さ暑さに負けずに走り回っています

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