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ある女性ライダーが見た景色

先日の旅バイク祭りでは、待ち望んだツーリングシーズンの到来を感じたのにも関わらず、なんなのだ今日のこの暑さは。
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再びやってきた残暑は、空飛ぶ吸血鬼達にとってはちょうど良い塩梅なのだろう。

今朝の洗車で愛車の泥を落とした私の手足は、その間に奴らの襲撃を受け、酷い有様になってしまった。

広大な牧草地が会場であったにもかかわらず、一晩中そんな不届きな輩を全く見かけなかった旅バイク祭りが懐かしい。

私は赤く膨れ上がった個所にハッシュタグをつけながら、こんな時の為にと読まずにとっておいた一冊の小冊子を手にした。

それは旅バイク祭りの会場で手に入れたもので、女子バイクのパーソナリティであるようこさんが描いた四国お遍路ツーリングの紹介本だ。

お遍路に全く興味の無かった私だが、この本を読んで「バイクでなら」という気持ちがむくむくと湧いてきた。

さてこの本の裏表紙にはこんなイラストが描かれている。
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彼女が見ている景色を想像して時間が過ぎるのを忘れてしまった私が次に乗るフェリーは、もしかすると北海道行ではなく、四国行になるかもしれない。にほんブログ村 バイクブログ ツーリング(バイク)へ

バイクに乗るという壮大なゲーム

駐輪場の屋根が吹き飛び、MT-09がサイドスタンド側に倒れた。先日千葉を直撃した台風が我が家に残した爪痕だ。

いや、被害が深刻な地域に比べれば、この程度は爪がかすった跡というべきだろう。

台風が去って数日後、長く暑い夏が終わった。

夏の空気が秋のそれに入れ替わり、街にバイクが増え始めるのをみて、私は久しぶりにジョギングシューズを履いて、家から飛び出した。

夏の間、ジムでトレーニングを続けてきたおかげか、意外にも足取りは軽い。少々息は上がり気味だが、これは生きているからこその、歓迎すべき肉体の反応だ。

何個目かの角を曲がったところから見える犬小屋。あの白い犬は元気だろうか。

ほとんどいつも横になっていて動かないのだが、まれに飼い主に連れ出され、家の前で自分のしっぽを追いかけるようにして、よたよたと円を描き続けている年老いたワンコだ。

果たして、彼はこの長く暑かった夏を生き延びていた。体を丸めじっと横になっている姿は相変わらずだが。

勇気をもらうという言葉は嫌いだが、呼吸にあわせて微かに動く彼のお腹を確認して、私はそれに近い感慨をおぼえた。

ようやく息が整い始めた頃、公園の木陰のコースに入る。隆盛を誇っていたセミの声には焦りがみえはじめ、赤とんぼが制空権を支配しようとしている。

もしかするととは思っていたが、園内では先日の台風によって何本もの木がへし折られていて、無残な姿が放置されたままだ。

その中でも一本の巨木は、地中に長く伸びた根もろとも倒されており、元々は根の上を覆っていたはずのコンクリートを、その断末魔の力で地表から大きくめくれあがらせていた。

木陰のコースを進むと、いつもはカモが泳ぐ小さな池には、どこから飛んできたのかシラサギが一羽、中州の縁で佇んでいる。

少しうつむき加減のシラサギは、まるで水面に映る自分の美しい姿にみとれているようだ。それとも台風の夜を生き延びたことに、思いを巡らせているのだろうか。

当のシラサギからすれば、そんな平和ボケのようなことを考えてしまう私など、嘲笑の対象でしかないのだろう。

シラサギは私などには目もくれず、目の前を泳ぐ獲物を虎視眈々と狙っている。

いよいよ足取りは軽快で、ウェアを通り抜ける秋の風が心地よい。

公園を出た後は、もう少し遠回りして帰ろう。そして少しだけペースを上げて、もう一度生きている証を確かめてみよう。
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ジョギングから帰ると、駐輪場の屋根は修理が終わっていました。カバーの中のMT-09は、すぐに来るであろう次の出番を待ち構えているはずです。

この秋もたくさんの道をMT-09と走ることになるのでしょう。

しかしこのカバーをはぎ取ってバイクで走り出すという行為は、実は一時の喜びを得るその代償として、自分の命を危険に晒すということなのです。

命を賭してまで得なければならない喜びなど、一体どこにあるのでしょうか。

それとも、安全運転の術を会得し、プロテクターを身に纏った自分だけは事故で死ぬことは無いと信じている、私とはそんなにも傲慢な人間なのでしょうか。

目の前にあるのは、壮大なロシアンルーレットのようなゲームだと分かっていても、それに乗り続ける私は、きっと傲慢で愚かなのでしょう。

いくら自問自答しても答えは変わらないのです。

まるでそんな私を嘲笑うかのように、シラサギの鳴き声にも似たけたたましい音を響かせて、1台のバイクが走り過ぎていった。にほんブログ村 バイクブログ ツーリング(バイク)へ
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人生の岐路に立つキャンプイベント

私が早徹(※)を信条としていることは以前にも書いた。

(※)テントで一夜を過ごした翌朝、出来る限り早く撤収を済ませバイクで走り出すこと。

私が早徹をする最大の理由は、キャンプ場の周辺にバイクを走らせるのに気持ちの良い道が広がっているから。

スキーヤーが朝食もそこそこにロッジを飛び出し、まだシュプールの描かれていないバージンスノーを堪能するが如く、私はツーリングロードを走る今日最初のライダーになりたいのだ。

そんな私は今週末、バイク系インターネットラジオ(ポッドキャスト)としては日本最大のキャンプイベントである「旅バイク祭り」に参加していた。

今年は全国各地から300人弱ものリスナーが愛車を伴って、会場である山梨県のハートランド朝霧に集まった。

隣のテントの方に自己紹介すると「あーあのブログの」と言ってくださる方がいらしたりして、その時点で「この偉業はブログに書こう」と有頂天である。

旅バイク祭りとは、このブログが私の自慢話を披露する場に成り下がるほどの大きな喜びをくれる、そんな素晴らしいイベントなのだ。
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そしてそんな楽しい時を過ごした翌朝、まだシュラフから出てもいない頃から、道が私を呼ぶ声が聞こえてくる。

そう今回も早徹だ。

その後、誰もいない脇道で静かに佇むオジサンと知り合えた事は、やはり早徹のおかげだと断言できる。
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しかし、これまで早徹によって様々な恩恵を受けてきた私だったが、今回は事情が違っていた。

後から振り返ってみると、私がオジサンと心を通わせていた丁度その頃、イベント会場では予想外の出来事が起こっていたのだ。

なんと、わざわざ200人を越える参加者の中から、顔も知らない私に会うべくオレンジのMT-09を探したが、見つけることができず断念したというツィートが流れているではないか。

関西在住のその方は、昨夜遅くに現地入りして朝一番で私を探してくださっていたのだが、当の私は道が俺を呼んでいる等と粋がって、その頃には既に早徹をきめてしまっていたのだ。

愚かだ。

このイベントの主旨を少しでも顧みていれば、早徹など愚の骨頂であるという判断がついたはずだ。

愚かすぎる。

こんな私など、あのオジサンに農薬を盛られて死んでしまえばよかったのだ。

ということで早徹に憑りつかれたコベはもう死んだ。

いやそれだけでは不足だ。

そもそも誰かが来て下さるのを待っている姿勢からして性根が腐っている。

そうだ、新生コベとして参加する来年の旅バイク祭りでは、こちらから出向き挨拶してまわろう。

そして次回こそは早徹の誘惑を断ち切ることができるよう、今後のキャンプでダラ徹(ダラダラと撤収)の術を一から学んでいくのだ。
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実は会場で私を探して会いに来てくださった方は、他にもいらっしゃいました。本気で嬉しかったです。これからを生き続ける喜びとなりました。ありがとうございました。

そして、このように熱気あふれる素晴らしいイベントを開催してくださった旅バイクのratさん、女子バイクのようこさん、スタッフの皆さんありがとうございました。
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上のような早朝の風景は撮れなくなるかもしれませんが、私、ダラ徹王を目指して精進します。にほんブログ村 バイクブログ ツーリング(バイク)へ

キャンプツーリングを楽しむための素養

小学生の頃、忘れ物の数は教室の中で常にトップクラスだった。

つまり当時の私は、注意散漫なクソガキだったということだ。

だがそんなクソガキも、いくつかの大きな失敗で学んだからか、今や周囲から「周到な」という形容詞をつけて語られるような立派な大人に成長した。
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先程、来週末のキャンプのパッキングを終えた。

行先はこれまで何度もテントを張ってきた朝霧高原だが、暑い時期は初めてになる。

果たして現地の夜も暑いのか、それとも涼しいのか、あるいはすでに寒いのか。

蚊取り線香は必要だろうか。

たとえ蚊がいなくとも、去りゆこうとしている夏を偲ぶことができるフレグランスとして持っていくのも悪くないかもしれない。

このように、蚊取り線香一つとっても、あれこれ思案をするためパッキングは一向に捗らない。

しかしこの考えを巡らせている時間がとても好きだ。

前夜に慌ててパッキングするなどということは、キャンプツーリングの魅力のいくらかを放棄しているように感じてしまう。

だからパッキングはじっくり時間をかけるのが常だ。

キャンプツーリングとは自然の中で解放感を味わうだけではなく、周到な準備からはじまって、帰宅後には次回のため各種道具のメンテナンス含め、トータルで楽しむ余裕のある大人のための趣味なのだ。

私などは、おおよそ週末の午後は書斎でキャンプ道具のメンテナンスに時間を費やし、すべて納得がいく陽の傾きかける頃から、やおらソファーに身を委ね、スコッチとシガーの紫煙を楽しむのが常だ。

さて周到な大人に成長した私だが、このように十分に時間をかけて準備をしていても、キャンプに行けば、毎回現地で忘れ物に気付いて「あちゃー」となるのが常なのだ。

まさに三つ子の魂百まで、周到に準備することを覚えても注意散漫さは相変わらず、人は簡単には変われないのだ。
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差し当たり只今は、ヘッドランプとLEDランタン用の電池を充電中なので、こいつらのことを忘れないように注意している。

と、電池に気をとられている間に、きっと大事なものを見逃しているに違いない。

しかし安心したまえ。

無いなら無いで、なんとかして楽しむのがキャンプツーリングの醍醐味。だから私のような注意散漫な大人でも、こんなに楽しむことができるのだ。にほんブログ村 バイクブログ ツーリング(バイク)へ

ライダーと走行距離の関係性について

走行距離の長さはツーリングにおける充実度と比例しない。

しかるに多くのライダーは走行距離の長さを好んで報告したがる。

走行距離は単なる結果であって、ツーリングを通して何をみて何を感じたのかを語ることこそ本来の姿であるべきだ。

そもそも他人の走行距離など知ったことではないし、それを聞かされてどうリアクションしろというのか。

走行距離などは文房具屋で買った自由帳に鉛筆で記すことで自己完結してもらいたいものだ。

それではこの夏の信州ツーリングを題材にして、ツーリングの報告とはこうあるべしというものをお見せしよう。

『朝4:00に起床し、朝食をとって5:15に出発しました。首都高、中央道を走った後~中略~夕方5:00前に長野県のホテルに着きました。暑さに負けずよく走り、この日の走行距離は500kmでした。』

「自由帳の中での完結はどうなったのか!」と言われても、初めての500km/日達成をここで報告しないで、どこで報告しろというのか。
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気を取り直して走行距離に関する考察を進めよう。

家族からの冷たい視線を顧みず家を飛び出し、暑さ、寒さ等、あらゆる艱難辛苦をものともせずバイクで走り続けるということは、そもそもストイックな人種にしかできない。

そうライダーは誰もがアスリート。

アスリートであるがゆえ、時にはツーリングで体験したこと以上の価値をもって走った距離が語られることになるという訳だ。

即ちライダーがマラソン走者のように走行距離を自慢することは至って常識的な行為であって、その行為に対して訳知り顔で批判的な言葉をぶつける行為こそ無粋であると言わざるを得ない。

一方「エセ」アスリートである私は、普段からタイヤを摩耗させることを忌み嫌っており、なるべく短い距離で充実したツーリングをしたいと願っている。

そんな私にとって、その答えがキャンプツーリンツグという訳なのだ。

次回ブログ予告。

『俺の年間テント泊数』こうご期待!
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このブログを書いている人

コベ

Author:コベ
MT-09というバイクで、寒さ暑さに負けずに走り回っています

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