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バイクに乗って刻み続ける旅の思い出

『ぼくらが旅に出る理由』という歌がある。

かつて小沢健二が歌った曲だが、長い渋滞を抜けて、いよいよこれから旅が始まるという時にヘルメットの中で流れて以来、私の旅のテーマソングになった。
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私は旅を経験すべき年齢で、旅に出ることをしなかった。

齢をとった今頃になって、昔の忘れ物を取り戻そうとしている訳だが、感性豊かな年齢で経験する旅には及ばない。

しかし、時期を逸した旅だとしても、旅先で出会った人や風景は心に刻まれ忘れることは無いし、次の旅のことを考えるだけで胸が高鳴るのだから、忘れ物のいくらかは取り戻せているのかもしれない。
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旅で頼りになる相棒こそがバイクです。

この相棒は、普段はみられない景色を見せてくれるし、独り旅の話し相手にもなってくれます。

『ぼくらが旅に出る理由』のようにはいきませんが、相棒にテントと寝袋を載せて知らない土地を目指せば、齢を重ねたなりの旅に出る理由は、必ず見つけることができるのです。
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さて、残念ながら今のところ次の旅の予定はありません。

出来る事なら、来年のGWには青森を目指してみたいと考えていますが、コロナのおかげで、ガス抜きのような短いキャンプツーリングさえも、ままならない状況です。

それまでのガス抜きは、ブログを書き続けることで、毎週のように心の旅にでかけるとしましょう。

これこそが「私がブログを書く理由」なのです。にほんブログ村 バイクブログ ツーリング(バイク)へ

バイク乗りには元気な彼女が必要

笑顔の高校球児が「甲子園では、皆さんに元気が届けられるように頑張りたい」と抱負を語っている。

もはや夏の風物詩だが、「元気を届ける」は大きなお世話だ。

有り余る性欲に押しつぶされそうな17、8の男子高校生に笑顔を届けてもらわなければならないほど、私は落ちぶれていない。

青春の刹那に輝く高校球児の姿は確かに尊いが、元気を届ける範囲は、せいぜい自分の彼女までに留めて欲しい。
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普段私は何から元気を得ているのだろうか。

もちろんバイクに乗ることはそれに値する行為だ。

たとえ私のように、エンジンの回転数の上げ方を忘れたような走りをしていても、ワインディングを前にすれば心が躍る。

一方、知らない街をのんびり走る時は、それとは違う種類の喜びがジワリと湧いてくる。

いずれも人里離れた静かなキャンプ場が目的地ならば、その日走った行程を焚火の前で反芻して、私の元気はチャージ完了となる。

このように効率的に元気を充電できる私にとって、高校球児に期待することなど何もないのだ。
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さてバイクで元気をと言いましたが、そもそも元気が無ければバイクに跨ってやろうという気は起きません。

実は私には真の元気の源というべき存在がいて、それが黄色い彼女なのです。

今年で14歳になる彼女は、今まで病気ひとつしたことが無かったのですが、ここへきて病院通いが欠かせなくなってしまいました。

日に二度の投薬は彼女にとっても、私にとっても辛い時間です。

もし彼女が再び健康を取り戻すことが出来るのなら、醜態を晒すことも厭わず高校球児の皆様にお願いしますので、ぜひ彼女に元気を届けてやっていただきたいのです。
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虐待の画像ではありません。歓喜の声が漏れているシーンです。にほんブログ村 バイクブログ ツーリング(バイク)へ

濡れネズミのライダーとは俺のことだ

降られた。

確かに降水確率は高めだったが、晴れ間が見えていたんだ。

ずぶ濡れだ。

秋冬のツーリングはいい。天候が安定している。

この時期の天候は読めない。

だから夏のツーリングは嫌いだ。

だいたい、気温が上がるこの時期に、お湯を沸かしたヤカンのように熱くなったエンジンに跨るなんて、狂気の沙汰だ。

とにかくずぶ濡れなんだ。

濡れ鼠のようにずぶ濡れだ。

でもこの齢になって、濡れ鼠のようにずぶ濡れの気分なんて、なかなか味わえるものではない。

そもそもバイクに乗る事自体が、ピュアな心を忘れないための、大人の遊びなのだ。

そう考えると、雨の中バイクを走らせるのも悪くはないじゃないか。

6日間全行程で雨に降られた北海道も楽しかったじゃないか。

いやまて、ここは千葉だ。

草原に放たれた牛なんて、どこを探しても見つかりはしない。

そもそも濡れ鼠とはなんだ。

濡れて水をしたたらせたネズミなんて見たこと無いぞ。
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多くのライダーがそうだと思いますが、私は雨のツーリングが嫌いです。

しかし、やはり多くのライダーも同じだと思いますが、雨の中でもいざ腹が据わってしまうと、何だか楽しい気持ちが湧いてくるのです。

そう、買ってもらったばかりの長靴を履いて、水たまりへと駆けていったあの時のように。にほんブログ村 バイクブログ ツーリング(バイク)へ

母に捧げるツーリング

観光地に立ち寄る時間があるなら、知らない街をバイクで走りたい。

何の変哲もない街並みを眺めていると、忘れていた思い出が、心の奥から時折顔を出してくる。
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私の手が電車のつり革に届くようになるずっと前の話だ。

月に一度、土曜日学校から帰ると、昼食もそこそこにリュックを背負った私は、祖母に手を引かれて駅に向かった。

鈍行に揺られた後、しばらく歩いた先にその家はあった。

祖母は私を送り届けた足で帰り、残された私はその家で週末を過ごす。

日曜日、暗くなる前には祖母が迎えにきて、来た時と同じように手を引かれながら駅へと向かう。

マッチ箱のようにちっぽけなその家は、一階が店舗になっていて、弟を連れた母がそこで小さな商売を営んでいた。

その家に通う暮らしは4年程続いたが、店は休みなく朝から夜半前まで営業していたので、母に遊んでもらったことはない。

当時そこに通うことが嬉しかったのか、辛かったのか、そんなことすら思い出せない。

ある日、店の釣銭をくすねて弟と駄菓子を買って食べたことがばれて、母を泣かせてしまったことがあった。あの時はとても辛く、寂しかった。

そうだ、夏になるといつも冷蔵庫にラムネが冷えていたことが嬉しかった。

電車の網棚が、本物の網で出来ていた頃の話だ。
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あの家の隣にあった焼肉屋から漂ってくる匂いのことは、よく覚えています。

一度でいいから味わってみたかったのですが、いつも食卓にのぼるのは母の手料理でした。

店を切り盛りしながら、母は一体どうやって台所に立つ時間を作っていたのか、今となっては確かめる術はありませんが、その理由なら分かるような気がします。

高い建物が少なかった当時、日が落ちた後の帰りの電車からは、家々にともる沢山の灯りが見えました。

私はそれぞれの灯りの中にある家族の風景に想いを巡らすのが大好きでした。

バイクで知らない街を走ると、つい余計なことを思い出してしまうものなのです。にほんブログ村 バイクブログ ツーリング(バイク)へ

宣言開け前夜 ライダーの誓い

バイクのオドメータが一向に増えない代わりに、走行距離が飛躍的に伸びた。

ジョギングの話だ。
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非常事態宣言下、外出の回数は極端に減り、髪や髭が伸び、ストレスが増え、やがてジョギングが日課になった。

バス停を探しながら歩く太川陽介さんにも抜かれるようなスピードゆえ、調子が乗った日はどこまでも走り続けることが出来る。

おかげで10年近く住み続ける街にも、まだまだ知らない景色が沢山あることに気付いた。

手焼きせんべいのお店。

民家を改装した喫茶店。

いつも椅子にもたれて眠そうにしている古びたカーディーラの店主。

養鶏場とその匂い。

野草の列に誘われて進んだ先でみつけた馬霊を祀った塚。

火葬場の近くの真っ暗な坂道。

その坂道をのぼり切った後にあらわれる一本道と清々しい風。

そしてこの街には無数の行き止まりがあり、この季節には色とりどりのアゲハ蝶が舞うことを知った。
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緊急事態宣言が明ければ、オドメータは以前と同じように数字を刻み始めるはずです。

しかし行き止まりに出くわし後戻りする回数は、これまでよりずっと増えることになるでしょう。

この2カ月弱は、私に何かをもたらしたでしょうか。

今言えることは、たとえ第二波、第三波がやって来たとしても、怖気づくことなく人生を走り続けるということですにほんブログ村 バイクブログ ツーリング(バイク)へ

このブログを書いている人

コベ

Author:コベ
MT-09というバイクで、寒さ暑さに負けずに走り回っています

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