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独りでバイクを走らせる理由

桜が咲いた週末、ハンカバを外して家を出た。

早朝こそ肌寒かったが、休憩のたびに真冬の装備がどんどん軽くなっていく。

目指したのは南房総だったが、陽気に誘われ、途中の公園で文庫本を手にバイクを降りた。
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麗らかな日差しの下、心行くまでページをめくり続けたら、またバイクが恋しくなってきた。

公園を出て、南房総に向かう道は通行止めだったが、こんな日は遠回りも大歓迎だ。

実は読書の後、再びバイクの上で風を浴びたら、目的地のこと等どうでもよくなってしまっていたのだ。

あとは風が気持ちよさそうな道ばかりを選んで走ろう。

そもそも目的地といったところで、それはツーリングに出るための口実でしかないのだから。
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上の写真は2年前のGW、岩手で撮ったものです。

この時も南に向かう事だけを決めて、あとは気持ちのよさそうな道を選んで走っていました。

これから何回バイクに乗って春を迎えられるかは分かりませんが、いつまでも気ままに走ることが大好きなバイク乗りであり続けたいと思います。にほんブログ村 バイクブログ ツーリング(バイク)へ

霞ケ浦の空を舞うプロペラ機

バイクを走らせていると、自分が飛行機乗りになったかのような感覚をおぼえることがある。

膝に抱えたエンジンが発する振動や音がそう感じさせるのかもしれない。

コーナーの先を見つめながらスロットルを開ける時、プロペラが唸りを上げ、翼が雲を切り裂き大空を駆け上がっていくのだ。
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霞ケ浦のほとり、阿見にある予科練平和記念館を訪れた。

これまで「予科練」という言葉は知っていたが、それがどこにあり、どのような歴史をたどったのかについて、恥ずかしながら殆ど知識がなかった。

かつてこの場所には、海軍の航空隊があった。

そこにおかれた予科練習部では、14歳から17歳までの未来の戦闘機乗り達が、日夜厳しい訓練に明け暮れていたのだ。

少年達は予科練の門をくぐることが、自分の命を国のために差し出すことだと理解していた。

それにもかかわらず、当時の少年達にとって、予科練生の証である七つボタンの制服に袖を通すことが、大きな憧れだったのだ。

記念館でみた七つボタンの制服は、信じられないぐらいに小さな肩幅だった。

彼らはその小さな身体が空の上でバラバラになる恐怖を押し殺し、遠く親元を離れたこの場所でどのような未来を思い描いていたのだろうか。

彼らの多くは淡い恋を経験することすら許されなかった。

かつて予科練から戦地に送り出された少年は2万4千人を数え、その8割の約1万9千人が終戦迎える前に短い一生を終えた。
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デマを流す輩がいる。それに便乗する奴等がいる。

例えそのような意図は無くとも、空っぽの棚の写真をSNSにアップすれば、そんな奴等の思うつぼだ。

メディアは首相の会見を批判するくせに、スーパーの前で行列に並ぶ人達を今日も画面にうつしだし、肝心のトイレ紙メーカには取材班を送らない。

私達にはかつて少年達が命を捧げて守ったこの国を、守り抜かなければならない責務がある。

今こそ冷静に判断して、冷静に行動しようにほんブログ村 バイクブログ ツーリング(バイク)へ




偏見と思い出に満ち溢れた茨城ツーリング

木下(きおろし)、安食(あじき)と千葉県民でも馴染のない地名をみたあと、利根川を越えればいよいよ茨城県だ。

ここには起伏に飛んだ道も、ワインディングもなく、ただひたすらに平坦な道が続く。

見晴らしは悪くないが、一帯に広がる田んぼからは水が引いていて、春の息吹は感じられない。

突然現れたインターチェンジの出口からは、尾張小牧、栃木、福島、地方ナンバーのデコトラ達が続々と降りてきた。

遠くに見える筑波山を目印に更に進むと、景色は雑木林と空き地を繰り返すようになる。

街が近いのだろう。すれ違う車にバンが増え、その排気音は、みな不機嫌そうにブフォブフォと言っている。

絶景も観光スポットもないかわりに、忌々しい渋滞も無い。

おかげで私のバイクは羽が生えたように気持ちよく進む。

何もないと思っていた景色の中に、地元の人達の暮らしが見え始めてきた。

街道沿いに普段見慣れた看板は無く、ラーメン、蕎麦、うなぎ、どんぶり、ハンバーグ、大福は、どれも地元の店だ。

そんな中、ナポリタンの文字につられて入ったのは、一軒の小さなジャズ喫茶だった。

蝶ネクタイが似合う物静かなマスターと、陽気で気さくな奥様のお二人で切り盛りされている。
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心地よいサウンドにどっぷりと浸りながら、ナポリタンスパゲッティに自分で選んだカップで飲む珈琲。

千葉の道を延々と走ったとしても、こんなに温かい場所は滅多に見つけられるものではない。
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昭和が終わりへと近づこうとする頃、茨城に住む一人の女子校生と知り合いになった。

菊池桃子似で地元訛りがとても可愛らしい彼女だったが、当時関西で暮らす高校生だった私にとって茨城はあまりにも遠かった。

家族が聞き耳を立てているせいで、思いが上手く伝えられなかったあの時の電話の記憶が不意に蘇ったのは、懐かしい味がしたナポリタンのせいだったのかもしれないにほんブログ村 バイクブログ ツーリング(バイク)へ





幸運のニューアイテムで房総ツーリング

「人生は貸借対照表。」

東北に住む仙人のような方から教えていただいた有難いお言葉だ。
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日曜日、キャンプに使うニット帽を探して、閉店半額セールでごった返す帽子専門店に飛び込んだ。

それまでユニクロや無印良品等をまわってもコレというものに行き当たらなかったが、専門店だけあって種類は豊富、すぐにお気に入りの一品が見つかった。

値段は張るものの半額になるので十分許容範囲だったが、レジで告げられたのは値引き前の価格。

オチはセール除外品というよくある話だが、美人の店員さんの前で顔色一つ変えずにカードを差し出せた自分を褒めてやりたい。
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しかしこんな超高級ニット帽を、焚火の火の粉でダメには出来ない。

そういう訳で、この一品は急遽キャンプ用からお出かけ用に格上げとなり、早速本日の房総ツーリングに持参した。

房総といえども朝の寒さは厳しく、暖がとれるような気の利いた店も開いていない。

自ずと休憩は屋外でとることになるが、そんな時にニット帽はありがたい。

水筒に入れた暖かい紅茶で一息入れると、寒さで強張った身体もほぐれてきた。

新しくお気に入りとなった帽子をかぶって気分もいい。

いつもは通り過ぎるだけの町を、少し歩いてみることにした。

散策中、小さなお店で金目鯛の干物を買った。

価格は、先日の伊豆で高すぎて買えなかった干物の半額以下だ。
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更に歩いていくと、私より相当年上のお姉さん達から、帽子が似合っていると褒められた。

いわゆる逆ナンというやつだ。
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想定外の高値で買ったニット帽がもたらした幸運の数々。

私の貸借対照表はプラスに転じてしまったようだ。
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にほんブログ村 バイクブログ ツーリング(バイク)へ今年もいい年になりそうで、帰宅後も興奮がおさまりません。マジで。

最後にワンチャンの愚かなライダー

自称イタリヤ人で、関西出身の兄さんが私に語った一言が妙に心に残っている。

「SNSの中では、誰もが見せたい自分だけを見せていて、不都合な事実は決して見せようとはしない。」
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先週の大洗ツーリングでは、前回記事にした通り様々なことが起こった訳だが、もう一つ書いていない話がある。

なぜなら、まさにそれが私にとって不都合な事実だったからだ。

朝から一緒に走ったS君と別れを告げた後の、慣れない夜の高速道路の上でそれは起こった。

突然私の右足をかすめるように幅寄せしてきたバンのテールライトが、暗闇の中で私に迫る。

ガツンと握ったブレーキが、なんとか衝突を回避できる効きになってくれたのだが、今度は後ろから車が迫ってくるのではないかと、とても怖かった。

幸い後続車は車間距離を確保してくれており、事なきを得た。

衝突の恐怖から解放された後、私に去来したのは安堵ではなく怒りだった。

私の中にあるはずの善良な心は消え去り、邪悪な心の言うがままに右手がアクセルを煽ったのだ。

地面を蹴って猛然と加速した私は、先程の仕返しのようにバンのコーナーをかすめて前に出た。

バンが私を抜き返そうと加速を始めたところで、ようやく我に返ったものの、遠くなっていくバンのテールライトを睨みながら、私はヘルメットの中から侮蔑的な言葉を発していた。

私が発したその言葉は、本当ならば私自身に対しても向けられるべきものであった。

にもかかわらず、私は夜の高速を走りながら、自分は悪くなかったのだと思い込もうとし始めた。

「私は走行車線を安全マージンを確保しながら、流れにあわせてただ走っていただけだ。」

「先に仕掛けたのはあいつだ。」

「手前の渋滞では、別の車に2度も無理な割り込みをされた。」

そして帰宅する頃には、すっかり自分の行動を正当化させてしまったのである。

一方でこのことはブログの記事には書けない不都合な事実だと認識もしていたのだから始末が悪い。

そう、私は帰宅するまでこのことをブログに書くつもりは全くなかったのだ。

しかし今日記事にした。

実はこの話には続きがある。

あの日、それでも晴れない気持ちで家に戻り、ライジャケをしまおうとハンガーを取り出したた瞬間、ハンガーが大きな音をたて2つに割れた。

「この次はハンガーでは済まないぞ。」

確かに私にはそう聞こえた。
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万一また同じようなことを繰り返したなら、その時には私はバイクをおります。
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それを宣言したくて、今回この不都合な事実を記事にしました。

このブログを書いている人

コベ

Author:コベ
MT-09というバイクで、寒さ暑さに負けずに走り回っています

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